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生活保護の通院移送費打ち切り・制限強化について[2008/04/25 金 PM 10:31]

 先日、山口県生活と健康を守る会の役員の方から、生活保護世帯への通院移送費打ち切り・制限強化についてお話しを聞きました。

 厚生労働省は、4月1日、生活保護の通院移送費の打ち切り・制限強化の「医療扶助運営要領の一部改正」などの通知を出しました。内容は、①移送費の一般的給付を国民健康保険と同等の扱いにし、災害現場からの緊急輸送、離島からの医療機関への搬送などの緊急の場合に限定し、②例外的に支給するのは、身体障害者などで電車・バスの利用が著しく困難な場合などにしています。これでも、通院等を行う医療機関は、原則として福祉事務所管内としています。③これを実施するための「是正の期限」を6月末まで3ヶ月にするとしています。

 全国生活と健康を守る会連合会ではこの対応には、5つの問題があると指摘しています。第一は、今回の措置は、滝川市の暴力団による「不正受給」が口実になっていますが、圧倒的多数の人たちの通院費削減は道理にあわないという問題です。第二は、このことが強行されれば、実質的な生活保護基準の引き下げにつながるという問題です。第三は、国民健康保険と同等の扱いにすると言いますが、国保で移送費が支給されたのは、全国で379件しかありません。これでは、ほとんどの生活保護世帯へ支給されないことになります。第4は、生活保護世帯が医療機関への受診を控えることにつながるという問題です。第5は、生活保護でも通常の収入から交通費は出せるとなると敬老パスへの助成などが改悪される危険があるという問題です。

 厚生労働省が、3ヶ月の是正の期間を定めたことは、一定の妥協でしょうが、そもそも、生活保護世帯への通院移送費の打ち切り・制限強化は許せません。

 この間、生活保護は、各種加算を削減するなど、次々に基準を低下させ続けています。生活保護基準の低下は、憲法25条で保障する「健康で文化的な最低限度の生活」の基準を低下させることに直結します。

 ひいては、生存権を低下させることにも直結します。このことは、民主主義を低下させることにも直結します。

 この辺りで、これ以上、生活保護基準を低下させていいのか真剣に国民的議論を行う時だと思います。この問題は、生活保護世帯の問題だけではないのです。国の根幹に関わる重大問題を内包していることを忘れてはなりません。

 生存権を問うた「朝日訴訟」の最高裁判決から40年たとうとしている今日、改めて、21世紀に見合う生存権の水準を国民が確立する時だと痛感します。

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