環境と福祉の充実を目指して

「隠れ共産党宣言」読書ノート②[2018/10/30 火 PM 06:46]

 引き続き、小松泰信著「隠れ共産党宣言」を読んでいます。

 小松教授の「生命の連鎖性」という視点は、農業を考える重要な視点だと感じました。

 「私は、生命の連鎖性という考えを重視しています。それは、農業が人間の命にかかわる生命産業だからです。しかも、生命とは自分たちが思っているようりももっと奥深いものです。たとえば、牛を屠殺して食べさせてもらっています。その牛は死んでいるけれども、明日も、十語にも食べたい、孫にも食べさせたいと思えば、種としての牛には残り続けてもらい、その一部を屠殺して食べさせてもらわねばなりません。お米もそうです。できあがった稲を収穫して米を食べるけれども、種子が残されることで連続して食べることができる。つまり人間の命が連続するために、食べられる牛や豚や野菜や穀物も連続しなければならないわけです。さらにいうt、そこには、ほかの生物や微生物が存在して、邪魔をしたり、捕食したり、助け合ったりするなど、それぞれが関係性を持ちながら、時間が連続していくという広くて深い構造があります。漁業や林業をふくめて第一次産業の世界は、さまざまな形でつながっているわけですから、この連鎖性をカットしたり、リセットすることに対して、条件反射的にもノーと言わなければならないわけです。それが、農学に身を置く人間の一つの使命であると思います。その連鎖性を切らないということを最低限のこととし、維持し発展させ、さらにより良きものにするために、農学に関わる人間は努力してきたはずです。私は自らの立ち位置をそこに見出しました。」

 「連鎖性をカットしたり、リセットすることに対して、条件反射的にもノーといわなければ」ならない」という点で、小松教授は、農業競争力強化支援法の問題点を指摘しています。

 「良質で低廉な農業資材の供給」や「農業物流等の合理化」を旗印に、自公政権や財界のねらいが二つ組み込まれていると小松教授は指摘します。

 一つは、卸売市場です。

 「『農産物の卸売又は小売りの事業について、適正な競争の下で効率的な農産物の流通が行われることとなるよう、事業再編又は事業参入を促進すること』(12条の1)として、卸売市場も自由化し競争させようとしています。そこには、青果物や魚、花卉などの集荷分荷として現れる機能や価格決定の機能など、ほかではとって代わることのできない重要な機能を担う卸売市場の役割は眼中にはありません。大企業が卸売市場も支配して、もうけを独占していこうという考えだけです。」

 二つ目は、種苗です。

 「主要農作物種子法が2018年3月で廃止されることになりました。種子法については、私もふくめてそのようなことが準備されているとの十分な認識がなく、虚をつかれて、ここまであるのか、と率直に思いました。どういうものかというと、支援法では、『種子その他の種苗について、民間事業者が行う技術開発及び新品種の育成その他の種苗の生産及び供給を促進するとともに、独立行政法人の試験期間及び都道府県が有する種苗の生産に関する知見の民間業者への提供を促進すること』(8条の4)と、みんかんの種苗事業者の事業展開を推し進めるだけでなく、公的機関が蓄積している知識を大手民間企業に提供しろとまで書き込まれているのです。種苗は『支援法』以前は、これまで各地の自然条件に合わせたものを開発し、農家に安定的かつ安価に提供してきました。たとえば、いま米で一番おいしいのは北海道といわれていますが、かつて米の北限は青森で北海道では作れないといわれたものです。ところが、北海道農業試験場などの技術指導や品種の改良や開発という長年の努力があって実現してきたのです。それを無償あるいは二束三文で民間事業者に渡せという。しかも、民間事業者とは国内の事業者には限らないと答弁していますから、遺伝子組み換え作物の世界シェア90%といわれるモンサントなどアメリカのグローバル企業は濡れ手で粟です。」

 小松教授は、農業競争力強化支援法は、「農業・農協解体切り売り法案であり、廃止しなければなりません。」と述べています。

 生命の連鎖性を担う農業を「岩盤」と規定し、強引に穴をあけようとすれば、「連鎖性をカットしたり、リセット」してしまうことになりかねません。

 安倍政権がその事を十分考慮せずに、穴をあけることを推進することは、とても危険なことだと、小松教授のこの本を読みながら痛感しました。

 皆さんは、生命の連鎖性における農業の在り方をどうお考えですか。

 ご意見をお聞かせ下さい。

 小松教授は、こう指摘します。

 「

コメントはまだありません »

コメントはまだありません。

この投稿へのコメントの RSS フィード。 TrackBack URI

コメントする