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死刑制度について考える[2018/05/09 水 PM 06:49]

 「教誨師」を読んで堀川惠子さんの取材力に感服し、他の作品「死刑の基準」「永山則夫」などを読んでいます。

 「死刑の基準」の冒頭にある「『死刑』と『ヒロシマ』」に堀川さんの並々ならぬ決意を感じました。

 この辺りを「永山則夫」の文庫の解説で弁護士の木谷明さんが次のように書いています。

 「著者は、広島で生まれ育ち、大学卒業後、民放に勤め司法記者などを担当したが、その当時、司法は遠い損7財であったという。ところが、その後、いわゆる光市母子殺人事件(当時18歳の少年が、23歳の母親と11か月のいたいけな幼児を殺害した事件。以下『光市事件』)の裁判経過などが、著者の心を揺り動かすことになる。この事件について、最初、広島高裁は、第一審の無期懲役判決を支持して検察官の控訴を棄却した。ところが、検察の上告を受けた最高裁は、これを破棄して広島高裁に差し戻したのである。そして、差し戻された広島高裁は、被告人である(元)少年に死刑を言い渡したが、著者は、この死刑判決がいいわ渡された際、高裁前に集まった被害者の遺族を支援する者の間から『拍手と歓声があがった』ことに戦慄を覚える。広島では、原爆の投下により、その年だけで15万人もの人命が失われた。その甚大な犠牲の上に命の重みを知ったはずの宿命的な町(ヒロシマ)で、一人の(元)少年の生命を抹殺する権力の決定(判決)に対し、拍手と歓声があがるのは一体なぜか。これを機に、著者は、死刑問題に正面から向き合うため、重い腰を上げる。著者の中で、『何の理由も脈絡もなく、しかし確かに一瞬にして、(死刑)と(ヒロシマ)が繋がった』のだという。」

 堀川さんは、「死刑の基準」の中でこう書いています。

 「何かが狂ってきている。一体、何がこうさせるのだろうか。行く先の見えない社会の漠然とした不安や不満が、誰かを攻撃することでガス抜きをされているのかもしてないと思ったりもした。」

 木谷弁護士は、「永山則夫」の解説の最後にこう書いています。

 「いずれにしても、死刑問題に重大な一石を投じた本書の文庫化は、この問題に関する国民一般の関心を格段を高めるものと期待される。時あたかも、日弁連(日本弁護士連合会)が2016年10月に開かれた福井大会で死刑制度廃止の狼煙を上げた直後でもあり、タイミングとしては絶妙である。」

 日弁連は、2016年10月7日、第59回人権擁護大会において「死刑廃止を含む刑罰制度全体の改革を求める宣言」を採択した後、2017年12月19日、日本弁護士連合会中本和洋会長は「死刑執行に強く抗議し、改めて死刑執行を停止し、2020年までに死刑制度の廃止を目指すべきであることを求める会長声明」を発出しています。

 会長声明は、次のように指摘しています。

 「2016年12月末日現在、法律上死刑を廃止している国は104ヵ国、通常犯罪について死刑を廃止している国は7ヵ国、事実上死刑を廃止している国(10年以上死刑が執行されていない国含む。)は30か国であり、法律上及び事実上の死刑廃止国は合計141ヵ国に上り、政界の国々の3分の2以上を占めている。このように国際社会においては死刑廃止に向かう潮流が主流であり、死刑制度を残し、現実的に死刑を執行している国は、世界の中では少数に留まっている。国連の自由権規約委員会(1993年、1998年、2008年、2014年)、拷問禁止委員会(2007年、2013年)及び人権理事会(2008年、2012年)は、死刑の執行を繰り返している日本に対し、死刑執行を停止し、死刑廃止を前向きに検討するべきであるとの勧告を出し続けている。」

 私は、堀川惠子さんの著作から日本の死刑制度の今後について真剣に考えいきたいと思います。

 皆さんは日本の死刑制度についてどのようにお考えですか。

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