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核兵器禁止条約の意義と課題[2017/08/08 火 AM 06:59]

 昨日、原水爆禁止世界大会ヒロシマデー集会に参加し、会場で、原水爆禁止世界大会起草委員長である関西学院大学教授の冨田宏冶さんの近著「核兵器禁止条約の意義と課題」を購入し、読了しました。

 全編を通じて、今年7月7日に国連会議で採択された「核兵器禁止条約」の歴史的意義が多彩に述べられています。

 一番興味を持ったのは、なぜ「核兵器禁止条約」が採択されたのかという点です。

 採択された背景の第一は「全会一致はめざすが多数決で」という点にあったと冨田さんは述べています。

 国連会議の議長となったコスタリカのホワイトさんは、「全会一致はめざす」しかし、「最後は3分の2以上の多数決によって決定する」を提案します。

 冨田さんは、議長がこの立場をとったのは、「2015年のNPT再検討会議で失敗した経験に学んだものと言えるでしょう。」と述べています。

 「どうでもいいような小さな問題に核兵器国がこだわって、NPT再検討会議の最終文書の全体を反故にしたのです。」「全会一致ということを原則にしてしまうと、せっかく圧倒的多数の国々が合意しても、大国がそういう形で保護にできるということになりますから、そうならないようにしようというのが、議長が打ち出した考え方でした。」

 「核兵器禁止条約」が成立した背景の二つ目は、「NPT条約の欠点を改めたため」と冨田さんは書いています。

 NPT再検討会議のなかで「なかなか核兵器は禁止されるべき兵器だという合意ができない。しかし、廃絶に至る細かいプロセスが合意できないからといって、核兵器の違法性で合意できないかというと、そんなことはないわけです。それなら、核兵器の違法性を先行させ、とにかく核兵器を禁止してしまおう。その上で、廃絶に向かって次の階段へと進んで行こうという議論も、もう一方にあったのです。」

 私は、「核兵器禁止条約」が採択された背景に、①多数決をとったこと②核兵器の違法性の合意を先行させたことがあったことをこの本で学びました。

 冨田さんは、今後の課題として、「核兵器のない平和で公正な世界」をめざす問題を提起しています。

 冨田さんは、「最新のデータでは、世界の富豪上位8人の総資産が、下位36億7500万人の資産を上回っているということです。ビル・ゲイツとかザッカーバーグだとか、そういう8人の試算の合計が、36億7500万人、世界人口の半分の資産より多いというわけです。」と指摘をし、今こそ、日本国憲法の前文でうたわれている「恐怖と欠乏から免れて平和のうちに生存する権利」の実現を世界が求めていると指摘します。冨田さんは「世界が日本国憲法に追いついてきた」とも指摘します。

 その上で、冨田さんは、「核兵器をなくしていければ、少なくとも相当の軍事費が浮くことになります。たとえばアメリカの国防予算は、今年68兆円だと言われますが、それだけあったらどれだけのことができるかという話です。8人が持っているものが36億7500万人と同じということは、逆に言えば、貧しい人たちを救うのにたいしたおかなは必要ないということなのです。」「核兵器を中心とした軍備に使っているもの、その開発のために使っているものを、貧困と格差の解消のために回していけば何ができるかということを考え、打ち出していく必要があると思います。」と述べています。

 冨田さんはさらに、「アメリカの8人と世界の36億7500万人の資産が釣り合っているという、このいびつな世界秩序がなぜ維持できているのかといえば、それは最終的には核抑止力、核兵器の圧倒的な破壊力によって維持されたものであるからにほかなりません。だから、これを解体していくことは、やがては世界全体の権力構造を変えることにつながるわけです。ある意味で、これこそ世界のあらゆる問題の解決の糸口なのだという展望を、僕らは持つべきだとろうと思います。」と世界の平和を展望します。

 日本共産党は、26回党大会決定で、「20世紀におこった世界の最大の変化は、植民地体制が完全に崩壊し、民族自決権が公認の世界的な原則となり、100をこえる国々が新たに政治的独立をかちとって主権国家になったことにあった」と指摘し、「これは、まさに『世界の構造変化』と呼ぶにふさわしい巨大な変化だ」「今日の世界の特徴は、この構造変化が世界の平和と社会進歩を促進する力として、生きた力を発揮しだしたところにある」と解明しました。

 「世界の構造変化」が核兵器禁止条約に結び付いたのでしょう。

 民族自決権が世界の原則になり、今度は平和的生存権が世界の原則になり核抑止力を解決することができれば世界の平和と社会進歩が大きく促進されることでしょう。

 そんなワクワクするような展望を「核兵器禁止条約」が採択された世界が持たせてくれています。

 「核兵器禁止条約の意義と課題」を冨田さんの本から更に学び、世界から学んでいきたと思います。

 「核兵器禁止条約」の意義と課題を皆さんはどうお感じですか。

 ご意見をお聞かせ下さい。

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