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相模原 障害者殺傷事件1年[2017/07/27 木 AM 07:51]

 19人の障害者の命が奪われ、27人が重軽傷を負った相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」の事件から昨日で1年がたちました。

 犠牲となった方々のご遺族の皆さまへ哀悼の意を申し上げたいと思います。

 「民医連医療」8月号に、岐阜大学の竹内章郎さんの「現代における優生思想の克服と真の共生のために~相模原事件をきっかけに~」と題する講演録が掲載されていました。

 竹内さんは、今回の犯人の言説と同じ内容の記述を含む本が、ナチス政権誕生前夜のドイツで出版されてることを指摘します。

 「今回の犯人の言説とほとんど同じ内容の記述を含む著名な本が、1920年にナチス政権誕生(1933年)に先立ち、刑法学者K.ビンディングと、精神科医A.ホッヘによって刊行されています。そこには、『重度の知的障害をもった存在は瓦礫の山』『殺したところで、誰も悲しまない』『そういう存在は社会の負担、お荷物になっている』といった記述があり、本の大明が『生きる価値のない命とはだれのことか』となっています。」

 ナチス政権は、ユダヤ人を約800万人虐殺したことは有名ですが、竹内さんは、ユダヤ人殺害の予行演習(T4政策)として、重度障害をもつ20万強の人をナチスは殺害した事実を明らかにします。

 その上で、竹内さんは、「我われ個々人自身にも浸透しかねない優生思想の問題があり、これの広がりをまずは押さえる必要がある」と指摘します。

 竹内さんは、優生思想と新自由主義の一体化を指摘します。竹内さんは、「新自由主義の大御所ハイエクは、市場秩序に適合的でない人間の健康を守ることを事実上、否定しています。また、私的所有物としての能力把握により、能力の劣ることやそれに基づく処遇も自己責任とする思想が新自由主義にあり、これは優生思想と一体なのです。」と指摘します。

 竹内さんは、優生思想について「優れた者の称揚と、劣った者の排除が一体となることが優生思想の恐い点で、ここから優生思想は、我われの日常社会にも入り込んでくるのです。」と指摘します。

 竹内さんは、13世紀の神聖ローマ帝国のフレデリック2世が命じた恐るべき実験を紹介します。

 赤ちゃんに授乳やおしめの取り換え、日光浴、室内の温度調整は行いつつ、微笑みかけなどのコミュニケーションは一切行いません。そうすると赤ちゃんは、1歳未満で一人残らず死んでしまいました。

 竹内さんは、「他者からの働きかけがあって、初めて維持され生きる能力になるということです。全ての能力の根源は共同的なものだということです。」と語り、能力を私的所有としてのみ捉える「優生思想」の問題点を指摘しています。

 竹内さんは、「病者、障がい者を真に受容しながら、同時に本当に病気や障がいの治療や軽減も重視できるような、両者が矛盾しない営みを可能にするような社会・文化、これはなかなか難しいのですが、そうした営みを少しでも構想し進める必要があると思います。」と講演で語っています。

 能力は私的所有ではなく、共同的なものという指摘は重要だと思いました。

 「優れた者の称揚と、劣った者の排除」する社会の構造を理解し、この構造を少しでも克服する社会を構想していく必要を感じます。

 私は、大学で「障がい者福祉」学びました。障害者殺傷事件から1年が経過しましたが「意味なき命はない」ことが日本で広がることを願います。

 「津久井やまゆり園」の事件から1年が経過しました。

 皆さんはこの事件をどのようにお考えですかお教え下さい。

 

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