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うつけの采配(下)[2016/01/28 木 AM 07:59]

 中路啓太さんの「うつけの采配」を引き続き読んでいます。

 この本は、戦国時代から徳川幕府が出来る辺りの毛利家の様子がよくわかる歴史小説です。

 とりわけ岩国藩を治めることになった吉川氏の経緯がよくわかります。

 毛利輝元を藩徳川勢の総大将として天下を取ろうとする安国寺恵瓊。

 「毛利は決して天下を争ってはならない」との毛利元就や小早川隆景らの遺言を守り、毛利と徳川との全面対決を阻止しようとする吉川広家。

 天下分け目の関ケ原に突入していきます。

 歴史に「もし」はありません。

 吉川広家という人物がいなかったら、長州を、毛利氏が治めることにはならなかったのかも知れません。

 吉川家が岩国を治めることにならなかったかも知れません。

 毛利家そのものがどうなっていたのか分かりません。

 広家を支え続けた伊知介が、「お家が滅びようが、知ったことではない」と言い出す広家を叱咤します。

 「この世のどこを探そうと、力不足でない者などござりましょうや。『俺には何もかも揃っておる』などと申す者に、この伊知介は行き合うたことはありませぬぞ。」

 「力不足などというのは、卑怯者の言い訳に過ぎまぬわい」

 当時、殿に対して部下がこのような叱咤ができたかどうか分かりませんが、この下りなどは歴史小説を読む醍醐味を感じました。

 歴史小説を自分にあてはめて読み、いろいろな事を教えてくれます。

 やみくもに聖戦を叫び、多くの人民の命を奪うことになるのか、人民を守る道を選ぶのか。

 毛利広家の選択は、今日を生きる私たちにも多くのことを教えてくれます。

 歴史を分かり易く、面白い物語として私に伝えてくれる中路啓太さんの筆致に感服しています。

 中路さんすばらしい物語をありがとうございます。

 読書は人生を豊かにしてくれるものですね。

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